
BEAR'S BOOK
BEAR'S BOOKは、熊本を直訳した名前の本格クラフトジン。柑橘や山椒の香り、45%の飲み心地、ジントニックのおいしさまでレビューします。
公開
蒸留所Distillery
スペックSpecs
容量と価格はレビュー時点のものです。
味わいAroma ring
ボタニカルBotanicals
販売店Where to buy
レビューTasting notes
BEAR’S BOOK。名前は「熊本」を英語に直訳しただけ。ここまで遊んでおいて、中身はガチガチの本格派なんですよね。造ったのは、あの「白岳」の蔵。この記事では香りと味わいを紹介します。さらに45%の飲み心地、公式おすすめの飲み方まで。
まずはボトルから(第一印象)

ラベルにいるのは、1冊の本を広げたクマ。かわいいんですよ、これが。正直、お酒のラベルらしくありません。
でも、ちゃんと意味があるんです。熊=BEAR、本=BOOK。そう、熊本を漢字のまま直訳したネーミングなんですよね。商品コンセプトは『飲む物語』。ラベルからもう、物語が始まっています。
では、その物語の中身を開いてみます。
BEAR’S BOOKの一番の魅力
この一本の魅力は、遊び心と本気が同じ量だけ入っていること。ラベルはかわいいのに、造りはまったく甘くないんです。
「白岳」の蔵が、4年かけて造った
造っているのは、熊本県人吉市の高橋酒造。米焼酎「白岳」「しろ」でおなじみのメーカーです。創業は明治33年、つまり1900年。120年以上の歴史があります。
その蔵の若い蒸留家たちが立ち上げたブランドが「T’s CRAFT」。「世界に通用するお酒を造る」という夢から、2016年にジンの開発をスタートしました。完成まで、4年。開発者は本場ヨーロッパでジン造りの基本も学んでいます。
米焼酎の蔵が、米焼酎を使わなかった理由
ここが、いちばんしびれるポイントなんです。米焼酎メーカーなのに、ベースに米焼酎を使っていません。選んだのはニュートラルなスピリッツ、つまりクセのない中立な蒸留酒です。
本場のジンをリスペクトするなら、そこは譲れなかったのでしょうね。しかし、それだと蔵の個性が消えてしまいます。だから彼らはどうしたか。
ボタニカルに米のもみ殻を選んだんです。監修したバーテンダーの隅田耕一郎さんは、米焼酎メーカーとしてのアイデンティティーとエシカル消費への取り組み、と説明しています。捨てられる部分を、味の奥行きに変えた。これ、けっこう驚きますよね。
世界の審査でも評価されています
第三者の評価もしっかり付いてきています。International Taste Institute(=国際味覚審査機構)の優秀味覚賞・三ツ星、Ultimate Spirits Challenge 2021のファイナリスト。
そして2026年には、The San Francisco World Spirits Competitionでゴールドを獲得しています。熊本から世界へ、という目標がちゃんと形になっているんですよね。
では、そのボタニカルを見ていきます。
使われているボタニカル
ボタニカル(=風味づけに使うハーブや植物素材)は、熊本県産を中心に組まれています。公式が挙げているのは、次のとおり。
| ボタニカル | 役割 |
|---|---|
| ジュニパーベリー | ジンの香りの核になる実 |
| 熊本県産の柑橘3種 | 香りの土台。爽やかさを担当 |
| 茶葉 | 和の香りと、きれいな渋み |
| 生姜・山椒 | 和のスパイス。ほどよいアクセント |
| 米のもみ殻 | 奥深いコクと上質感 |
注目は、やはり生姜と山椒。和のスパイスがアクセントになることで、ただの柑橘ジンにならないんですよね。つまり和と洋が何層にも重なる設計になっています。
ちなみに公式には「一部記載していないボタニカルもあります」との注記が。柑橘3種の品種も公開されていませんから、ここでは憶測を並べません。では、実際に注いでみます。
BEAR’S BOOKの香りと味わい
グラスに注いだ瞬間
最初に来るのは、まっすぐなジュニパーの香り。奇をてらっていません。本場のジンをリスペクトした、という言葉がそのまま香りになっている感じです。
そのあとから柑橘がふわっと立って、奥に茶葉の落ち着いた香りが控えます。公式は「森林浴をしているような」と表現していて、たしかにそんな印象なんですよね。
ひと口飲んでみると
45%ですから、当たりはしっかり。けれど口当たりは、思ったよりなめらかです。まず柑橘が広がって、中盤でじんわりコクが出てきます。
そして余韻に、山椒のぴりっとした感じ。これが意外と残るんですよ。生姜も効いていて、最後だけ和の顔になります。もみ殻由来と思われるふくよかなコクも、舌の上にうっすら残る印象です。
公式は「ほどよいアクセント」と書いていますが、山椒を強めに感じる人もいると思います。とはいえ、そこが退屈させない仕掛けなんですよね。開発者も「長く愛されるには飽きさせない工夫が大事」と語っています。
この味わい、どう飲むのがいちばんおいしいのでしょうか。
おすすめの飲み方とどんな日に
公式が推しているのは、カクテルの王道ジントニック。しかもレシピまで公開されていますよ。
大きめの氷を入れたグラスにジンを30ml、冷やしたトニックウォーターを120ml。軽くステアして、カットライムを搾って添えるだけ。これだけで、かなり本格的な一杯になるんですよね。
シーン別のおすすめ
- ジントニック:公式イチオシ。まず一杯目はこれで
- ジンソーダ:好みの柑橘を搾って。食事と一緒に
- ジンモヒート:黒糖とミントで。暑い日の夕方に
- ストレート:山椒の余韻まで追いたい夜に
そして合わせる料理が、じつは明確に示されています。開発者の高橋良輔さんいわく、エスニック料理、とくに辛みが強いものと相性抜群とのこと。グリーンカレーや麻婆豆腐と合わせる一杯、気になりますよね。
では、ほかのジンとの違いも整理しておきます。
似た系統のジンとの違い
| 項目 | この一本 | 一般的なロンドンドライジン |
|---|---|---|
| 味の方向性 | ドライ | ドライ |
| ベース | ニュートラルスピリッツ | グレーンスピリッツ |
| 度数 | 45% | 40〜47% |
| 和の要素 | 茶葉・生姜・山椒・もみ殻 | 基本的になし |
| 得意な飲み方 | ジントニック | ジントニック・マティーニ |
じつは土台の考え方は、かなり本場寄りです。しかし和のスパイスが入ることで、余韻だけが日本の顔になる。だから和食にもエスニックにも寄れるんですよね。
気になった方のために、買える場所もまとめておきます。
BEAR’S BOOKはどこで買える?
基本はブランドの公式オンラインショップです。発売当初は公式EC限定でしたから、いまも中心はここなんですよね。
加えて熊本のバーなど、飲めるお店もあります。化粧箱入りも選べるので、贈り物にしやすいのもうれしいところ。700mlで価格は4,000円台です。変動しますので、購入前にご確認ください。
ちなみに2023年には第2弾の「BEAR’S BOOK THE MAGIC」も登場しています。こちらはハーバル&フローラル路線なので、飲み比べも楽しそうです。
まとめ
BEAR’S BOOKは、遊び心の裏に本気が隠れたジンでした。度数は熊本県の市町村数、名前は熊本の直訳、ラベルはクマ。ここまでふざけておいて、中身は4年かけた本格ドライジンなんですよね。
なにより、米焼酎を使わないと決めたうえで、もみ殻で蔵の名残を残した判断がいい。筋を通しながら、自分も捨てない。おいしければ、それで最高ですよね。
こんな人にとくにおすすめです。
- 王道のジントニックをおいしく作りたい人
- エスニックや辛い料理が好きな人
- 山椒や生姜の香りに惹かれる人
- 贈り物になるクラフトジンを探している人
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では、またの記事でお会いしましょー!
さあ、かんぱーい!
